
薪ストーブはあたたかい。シンプルに、本当にそう思います。
薪で沸かしたお風呂に入ると、湯冷めしにくい、とよく言われますね。それと同じように、薪ストーブにあたっていると、からだの芯からあたたかさを実感します。家じゅうが芯からあたたかい、そんな実感でしょうか。そして、目で見るあたたかさもありますね。ゆっくりとゆらめく薪ストーブの火をじっと見ていると、ほっと安らいで、心があたたかくなってくるのを感じます。薪が燃えていくときの匂いと音も、同じです。あのかすかな匂い、ちいさく跳ねるようなあの音。どちらも、懐かしいぬくもりを運んできてくれるような気がします。目で、耳で、鼻で、からだ全体で感じるあたたかさ。五感で感じるあたたかさ。懐かしくて、ほっとするあたたかさ。薪ストーブの前に座るたびに、そう思います。
薪ストーブって、環境にやさしいと言われますね。
薪ストーブの燃料である薪は、言うまでもなく木です。二酸化炭素を吸って酸素を放出する木は、私たちにとって、また地球環境にとって、大切な存在です。そして、伐ってもまた芽吹き、再生を繰り返す木は、半永久的に再生可能な資源でもあります。では、石炭や石油はどうでしょう。それらは、使ってしまえば再生できません。循環の中にない資源を使いすぎたために、地球温暖化が進んでしまったとも言えます。薪を使う暮らしは、自然界の循環の中で資源を有効に利用する地球にやさしい暮らしです。先人たちは、身近にある薪で調理し、暖をとりました。囲炉裏やかまどから薪ストーブへと、そのかたちは変わりましたが、自然から資源を借りて、その恵みを感じる暮らしは、今も昔も変わりません。薪を使うことは、自然界の循環、バランスの中で暮らすこと。感謝の気持ちを忘れない暮らし。私たちはそう思っています。
薪ストーブはコミュニケーションだと思います。
少し前までの日本の暮らしでは、子どもたちが薪を集めたり、野菜を収穫したり、家畜の世話をしたり、家庭の中できちんと仕事がありました。そんな仕事の中で、働き方を覚え、身のこなしを覚えてきました。薪ストーブのまわりには、そんな失われつつある家族のコミュニケーションが自然と始まるでしょう。お父さんと薪を運んだり、着火するための小さな木片を用意したり、山の木や自然のエネルギーについて話したり。お母さんと一緒に薪ストーブで料理をしたり、ストーブの上の鍋をかき混ぜながら学校での出来事を話したり。薪ストーブを囲みながら、きっと新しい会話が始まります。
そこから、家族の新しい風景が広がるでしょう。薪を使うことは、自然にやさしいだけでなく、家族の未来にもやさしいのです。


